岸田内閣の支持率がグングン上昇している。読売新聞社が1月14~16日に実施した全国世論調査で、内閣支持率は66%になった。首相就任から3カ月連続で上昇したのは小泉内閣、第二次安倍内閣、岸田内閣だけだそうだ。
上昇した理由は新型コロナウイルス対策への評価だと各メディアは伝えているが、実際のところは「誰も分からない」のだそうだ。月刊「正論」編集長の田北真樹子さん(1970年生まれ)は、国会やワイドショーが大騒ぎすることを嫌う有権者が多いからだと分析した。
メディアはコロナ対策への評価というが、、、
岸田内閣の支持率世論調査で、時事通信は前月比6.8ポイント増の51.7%。不支持は5.3ポイント減の18.7%(調査は1月7~10日)。NHKは先月より7ポイント上がって57%。不支持は6ポイント下がって20%(同1月8~11日)。読売新聞は前月より4ポイント上がって66%。不支持は前月と同じ22%だった。どうしてこんなに高いのか。メディアの多くは新型コロナウイルス対策への評価だとしているが、感染者の数はここ1週間爆上げとなっている。月刊「正論」編集長の田北さんは2022年1月17日の「虎ノ門ニュース」に出演し、なぜ支持率が上昇しているのか誰も分からない、とし持論を展開した。
岸田内閣は「対立案件に手を付けない」
「岸田内閣が前に出ないことを、多くの世論はポジティブに見ている。国会がギャーギャーやっているというのが辛い人が多いからだ」
と田北さんは語った。安倍・菅内閣は強い内閣だったため野党が何でもないことをグレーに取り上げ追及してきた。一方、岸田内閣は「対立案件に手を付けない」という姿勢であり、野党の追及は緩い。結果的にワイドショーが騒ぎ立てることが少なくなった、とした。おそらく3月に行われる党大会まで現状維持なのだろう。しかしそれで何も変わらなければ夏の参議院に影響し、国政の6年間の停滞につながりかねないとした。
参院選で自民が敗れると6年間何も進まない
というのも自民党支持の岩盤層は3割いて、そうした人たちはおおむね岸田内閣に否定的だ。「対中非難決議」を出さないことなど岩盤層は怒っているのだという。それで何が起こるのかといえば、「お灸をすえる」意味での自民党離れ。参院選で自民党が負けるとなれば野党会派が参議院の過半数の議席を占める「ねじれ国会」になってしまう。岸田内閣は、日米「2プラス2」、日豪「円滑化協定(RAA)」を進めたが、これは安倍・菅政権で決まっていたもの。そもそもが「対立案件に手を付けない」という姿勢のため、国防についてこれから何をするのか未知数だ。今現在支持率が高くても、岩盤層が離れてしまえば参院選がどうなるのか分からない。
「参院選で自民が敗れればねじれる。そうなると今後6年間何も進まなくなる可能性があります」
と田北さんは語った。
(リンク)
「虎ノ門ニュース」(2022年1月17日放送)